看護師って辛いの?とよく聞かれますが、一言で言うならとても辛いです。
私は高校時代から目指していた看護師を一度やめます。
私が軟弱だったという可能性もありますが、身の回りで体や心を壊して休んでしまう人も大勢いたので、おそらく一般的に辛い職業に当たるかもしれません。
看護師の仕事はどのようなものなのか、何が辛いのかについて書いていこうと思います。
皆様のよくある疑問
突然ですが、看護師として働いているとよくこんな質問をいただきます。
『看護師をやっていて一番大変な仕事って何?』
そんな時私はすごく困ってしまいます。
最も大変だった仕事をひとつに絞ることはすごく難しいです。
それほど一つ一つの仕事に緊張感と責任があります。
全ての仕事が命に直結しますからね
(もちろん雑務もたくさんありましたが、、、)
じゃあ1番何が大変なのさというのを言い表すのであれば
『多重業務』
とまとめて言い表すのが合っているかと思います!
(他の業界ではマルチタスクと呼んでいるかもしれません~!)
看護師の仕事
意外と認知されていませんが看護師の仕事は、毎日割り当てられた患者さんを次の時間帯のスタッフに引き継ぐまで受け持つというものです。
(日勤夜勤の入れ替わりをイメージしてみてください!)
毎朝、一人一人の患者さんの情報を確認してから、その日の患者の手術や治療、検査などのスケジュールが安全に行われるように努めます。
また、それぞれの患者さんには異なる注意点や観察点があるので、時間ごとに確認していきます。
他にも、一般の方々がイメージするであろう採血や注射業務、輸血なども随時行っていきますし、
患者さんをオペや検査に連れて行ったり、迎えにいったりもします。
その他、患者さんによっては身の回りのことを自分でできなかったり、助けが必要だったりもします!
(トイレ介助やおむつ介助、清拭やシャワー浴の介助、着替え、食事介助など)
こういった内容の業務を、看護師1人につき大体7人くらいの患者さんに対して行います。
(勤め先や患者の重症度にもよりますが、もっと多い場合もありますね~!)
ざっと挙げるだけでもこれだけたくさんの業務が毎日ありますが、ただこれを計画通りに進める単純作業ではありません。
ほとんどが計画通り進んでいきませんので、、、
看護師の仕事が終わらない理由
では皆様なぜ計画通り進まないと思いますか?
ちょっとしたシンキングタイムです!!
看護師のレベルが低いから!というのは今回は見逃してください!!
ちょっと思い当たる点はありましたかね?
ではさっそく!計画が崩れる理由は大きく2つあります!
1つ目の理由:『患者さんの認知度』
患者さんは高齢の方が多く、認知度が落ちている方もたくさんいます。
それに加えて、病院という普段とは違う環境や治療、手術などの侵襲・苦痛によってせん妄という状態になることもあります。
(侵襲とは手術でどこかを切除したり、薬剤投与などで体に変化を与えたりすることを指します。)
こういった患者さんは、こちら側の説明が理解できなかったり忘れてしまったりします。
また、時には危険行動(転倒・転落・自傷行為・ルート抜去など)をとってしまうこともあります。
これらは本当に危険なことで、命に関わります。
このような患者さんに対しては、安全のためにセンサーがついたりすることもあります。
センサーがなると、すぐに様子を見にいかなければいけません。
そして上記に加え予想外の出来事が起こることもあります。
(起こらないように努めておく必要はありますが、、、)
他の患者さんに対してなにかをしようとした時にも、もちろんセンサーは鳴ります。
センサーが鳴ると、担当の自分が基本的には駆けつけるんのですが
どうしてもいけない時には周りのスタッフが向かうことになります。
同じように、他の人のセンサーが鳴っていれば担当じゃなくても自分が行くことも多々あります!!
ナースコールについても同様ですね~!
病棟ではいつもどこかでセンサーやナースコールが鳴っているような状況といっても過言ではありません。
勤務中はコール対応とセンサーの対応に追われてしまうのがほとんどなのです。
(医療業界外の皆様に最もイメージしてもらいやすい例えとしては、常に後輩から仕事についての質問が飛んできつつ自分の仕事をこなしていくイメージです!命の危険性を加味しながら!)
そんなこんなで仕事が終わらないことが多々あるのです、、、
2つ目の理由:『急変』
患者さんの容体は急変することがあります。
よく医療ドラマなどでイメージするような急変ももちろんあります。
その他にも血圧低下、発熱、嘔吐、下血、、、など挙げるとキリはありませんが、日々様々なことが起こります。
このような場合には、Dr.に報告して指示を仰いだり、元々の対症指示に従って点滴や内服があったりします。
Dr.の指示によっては、検査や処置が入ったりもします。
(もちろん緊急でオペになることも)
症状や急変の種類と程度にもよりますが、早急にやることができたり、頻回に状態を確認したりする必要が出てくるのです。
現状
このような状況下で、最初に挙げたような1日の中でやらなければいけない業務(それぞれの患者さんに対する)を、患者さん全員の身の安全に留意しつつ、計画通りに進めるのはなかなか難しいです、、、
前のスタッフと交代の時間になって引き継ぎを受けてから、次のスタッフに引き継ぐまでは目まぐるしく時間が過ぎていきます。
休憩時間を十分にとれない日だってたくさんあります。
とは言っても、忙しい仕事ならたくさん世の中にあると思います。
同じように多重業務に追われる仕事だってきっとあるはずです。
ですが、医療現場が他と違う点は、これほど忙しく駆け回るような環境においても、常に患者さんの健康・命を背負っているということです。
大袈裟にいうと、自分がするミスひとつで患者さんの健康被害を及ぼしたり、最悪の場合は命に関わってしまいます。
にも関わらず、これまで説明したような環境なのです。
1年目の看護師になりたてのときは、こんなに重大な責任を持っているのに、こんな環境でいいのか、と疑問にさえ思いました。自分のやる一つ一つの行動やミスが、患者さんに何か起こしてしまうのではないかと不安な気持ちでいっぱいでした。
このように、看護師の仕事は「多岐に渡りかつ責任重大、なのに忙しすぎて余裕がなさすぎる」というこれらすべての状況を含めて大変なのです。
特に経験年数の少ない看護師の中には、こういった余裕のない状況下で命を背負うプレッシャーや、自分を責めてしまう気持ちによって、どんどん追い詰められてしまうということも多いと思います。
これに加えて、もちろん普通の職場でもあるであろう人間関係(しかも女性ばかりなので劣悪)の問題もあり、かなり悩まされます。新人の場合は、プリセプターとの相性もありますしね。
(プリセプターとはOJTをイメージしてください!)
さらに!最初はとにかく知識が足りないので、家に帰っても課題や勉強に追われてしまうのです。
(逆に先輩になってくると、係の仕事などが時間外で増えているイメージです。)
そのため、早い段階で辞めてしまう人も多いです。
そして、辞める前に体調を崩したり、うつや適応障害など精神疾患を抱える看護師もたくさんいます。
(実際に私の周りにもいます、、、)
毎年看護師国家資格を手にして新人がたくさん社会に出てきているのに、若い人材が育たない&どんどん人が辞めていく結果、ずっと人手不足のままなのです。
そして、人手不足によって環境は変わらず、また人が辞めていくのです。
この悪循環がどうか収まってほしいなと思っています。
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